「寿元」を食べると好転反応(めんけん)はありますか?
「好転反応」(めんけん)とは、わかりやすくいうと、
治癒反応のことです。
つまり、病気が回復し、真の健康へと復元する過程で一時的に現れる反動的な症状で、
いわば、病気の最後のあがきのようなものと考えたらいいだろう。
ところが、病人は、この現象が出ると、病状が悪化したのではないか、妙な副作用ではないか・・
などと恐れる場合が少なくない。
しかし、これは、身体の防衛隊が大活躍を始めたと考えるべきで、
むしろ大いに喜ぶべき現象なのである。
徳川時代の儒医、吉益東洞は、この現象について、
「薬病に的中するとき、大いにメンケン(好転反応)するなり。
そのメンケンを恐れては病治せぬものなり。」
と述べています。
『寿元』は、薬ではありませんが、このようなメンケン(好転反応)が現れる例が少なくありません。
もし、起こったとしても、あわてることなく、食養生の手をゆるめずに、
さらに精進して下さい。
それが、一時的な現象である限り、身体の治癒活動、自衛活動が開始された
喜ぶべき前兆なのだから・・・・。
メンケンは、その人の身体の状態によって、まったく現れずにすむ場合もあれば、
軽い人、かなり苦痛をともなう人と、
いろいろな程度や、現れ方があります。
だから、それが、病気の症状なのか、あるいはメンケンなのかをみきわめるには、
ある程度の習錬と経験に基づく洞察力が必要です。
次に、反応の代表例をあげてみます。
いちばん多いのは、
身体がだるくまり、脱力感に襲われる状態です。
そして、
昼夜の別なく、眠くなり、倦怠感を覚える。
これは、メンケンの初期の現象で、治癒反応が復元し始めた兆候といってもいい。
次に現れるのが、一時的な発熱、発汗です。
ときには、四十度近い高熱が1〜2時間から半日も続く場合もあります。
しかし、カゼなどと違って、熱は高くとも、気分はそれほど悪くなりません。
下痢、便秘、腫れ、痛みなどをともなうこともあります。
リウマチや、過去のケガが再び痛み出すこともすくなくありません。
発熱以外で多いのが、
吹き出物です。
体内の毒素や老廃物、お血(ふる血)などが体外に排泄される現象であって、
2〜3日から長い人では1ヶ月も続くことがあります。
湿疹、じんましんなど、いろいろな出方をします。
これは、身体の異物排除能力が急速に復活するために、もっとも近い皮膚へ
排除された結果ですから、決して心配することはありません。
毒素は、皮膚のほか、尿や便、涙、目やになどとなっても排泄されます。
この症状は、まだ十分に分解されていない毒素であるために、往々にして局所を
刺激しかゆみや、発疹を引き起こしますが、
真の健康へ復元する一過程であり、我慢が肝要です。