「なぜ神液はすばらしいの？」
　　鈴木弘一医博著

発芽抽出成分は成人病（痛風・腎臓病・糖尿病）にもよい

第１１章　成人病

発芽抽出成分は痛風や腎臓病にもよい

Ｑ，腎臓病や痛風にかかりますと、医者から、しばしば、「プリン体」を多く含む大豆をなるべく食べない方がよい
　　と言われますが、発芽抽出成分も大豆からつくられていますので、食べない方がよいということになりませんか。

Ａ，結論から先に言いますと、そのような心配は全くありません。腎臓病や痛風にかかっている人たちこそ、
　　積極的に発芽抽出成分を飲んで欲しいものです。

Ｑ，つじつまが合わないようで、よくわかりません。教えてください。

Ａ，プリン体の終末産物に尿酸塩があり、この尿酸の１㏄中の血液の中の濃度が２．５から７．８ミリグラムを
　　正常値とされており、腎臓病にかかると増加し、関節軟骨に尿酸塩（主として尿酸ナトリウム）として沈着
　　すると、痛風発作を起こして激痛に見舞われます。
　　しかし、プリン体は、核酸の重要構成成分として、細胞質、細胞核の中に多く含まれており、この核酸こそ
　　は遺伝の担い手として重要な役割を演ずるばかりでなく、生物の最低必要不可欠な成分の一つでありま
　　して、原始的な生物であるウイルスは核たんぱく質そのものであります。
　　したがって、腎臓病や痛風にかかったからといって、いたずらにプリン体を恐れろのはおかしい。
　　それは生命力そのものを恐れていることになるからです。

Ｑ，先生がそうおっしゃっても、一般の医学常識としては、肉や大豆などプリン体の多いものを食べると、
　　プリン体の代謝産物として生み出される尿酸の血中濃度が高くなり、腎臓病や痛風が悪化すると
　　考えられていますが？

Ａ，その辺が、現代医学の単純なところです。「科学は日進月歩する」と言われていますが、言いかえれば、
　　今日の科学知識は明日にはまちがいであるとなることもありえます。
　　尿酸の血中濃度が高くなる原因として、プリン体の過剰摂取のみを考えることはあやまりだと思います。
　　つぎのような原因も考えられるからです。

　　（１）体内に障害があって、尿酸産生過剰
　　（２）白血病、溶血性貧血などがあって、核酸代謝亢進
　　（３）腎臓病、粘液水腫などによって、尿酸排泄低下
　　（４）飢餓、断食、妊娠中毒症、糖尿病などによる尿酸再吸収増加
　　（５）クスリの副作用（たとえば、ピラジナマイト、サルチル酸）による尿酸排泄の低下

　　また、先ほども話しましたように、プリン体は生命にとって極めて重要なもので、そのためにたんぱく質など
　　を多く含んでいる食物に含まれているわけですが、常日頃、適量を必ず摂取する必要があると思います。
　　このことは、腎臓がわるくても、痛風であっても、変わらない原則です。
　　問題は、肉・卵・牛乳など動物たんぱく質の中に含まれているプリン体にあります。私の考えでは、大豆の
　　中に含まれているプリン体は安全ですが、肉や卵などに含まれているプリン体は危険です。

　　痛風をわずらっている人を観察しますと、発病前の食事の傾向として、肉・卵・などが好きで、よく食べて
　　いますが、大豆が好きで大豆ばかり食べている人は少ないようです。

Ｑ，すると、プリン体にもコレステロールのような善玉と悪玉とがあるのですか。

Ａ，あるいは、そうかも知れませんが、私はそこまでは断言するつもりはありません。少なくとも、
　　プリン体と一緒に摂取されたものが肉類か大豆かで、逆の結果になると申しあげたいのです。
　　恐らく、大豆の中には、プリン体の行き過ぎを除く何かが存在することでしょう。
　　一方、肉類の方は、体内で有害に作用させ、代謝の妨げになる何かがあるものと思われます。
　　このことは、後世の学者が明らかにしてくれることでしょう。

Ｑ，単純に、プリン体のある食物を摂取したらいけないと考えるのはあやまりですね。

Ａ，はい。大豆と一緒にとったプリン体であれば、大いに結構と思います。
　　ただし、どのような食物についても言えることですが、いくらその食物がよいからといっても、
　　過食してはいけません。あくまでも、適量を摂取すべきです。

Ｑ，発芽抽出成分も大いに飲んだ方がよいですか。

Ａ，もちろんです。先ほど大豆の中にはプリン体の有害作用や蓄積作用を除く作用があるから大豆と
　　一緒に摂取されたプリン体は安全という話をしましたが、発芽抽出成分こそは、大豆の中の有効成分
　　そのものでありますから、大いに摂取した方がよいと思います。
　　また、発芽抽出成分は大豆から取り出されているのは事実ですが、大部分は小麦粉の微粉ですから、
　　その中に含まれているプリン体は大豆ほど多くは含まれていませんので、そういう点からも安全です。

糖尿病は発芽抽出成分の飲用と玄米食で恐くない

Ｑ，代謝疾患の代表である糖尿病の実態と発芽抽出成分との関係は？

Ａ，私の考えている糖尿病の定義は、「明らかな原因がなくて、膵臓から分泌されるホルモンの一種である
　　インシュリンの量が低下してきた結果、高血圧と糖忍容力低下をきたし、やがて糖尿が現われてくる
　　病気」ということになります。

Ｑ，すると、尿に糖が現われてくる病気（糖尿）のすべてが糖尿病とは限らないのですね。

Ａ，はい。糖尿には血糖値（血液の中の糖の量）が高くなってきた結果、腎臓の敷居からあふれ出る
　　場合と、腎臓障害などの原因で血糖値が正常なのに糖尿が現われる場合とがあります。
　　また、ホルモンの働きをみますと、血糖値を下げるホルモンは、膵臓のB細胞から出されるインシュリン
　　だけですが、血糖値を上げる方のホルモンはたくさんあって、膵臓のA細胞から出されるグルカゴン、
　　下垂体から出される成長ホルモン、甲状腺から出されるチロキシン、副腎髄質のアドレナリン、復腎
　　皮質の糖質コルチコイドなどがあります。

Ｑ，ずいぶん複雑ですね。そうしますと、糖尿が出たとき、考えられる病気は？

Ａ，つぎのような場合が考えられます。
　　（１）一般的な糖尿
　　　　これには、食事直後、ぶどう糖の注射後、発熱、飢餓や断食のとき、運動後、中毒（一酸化炭素中毒など）
　　　　脳障害（脳外傷、脳出血、てんかん、尿毒症、分裂病、躁うつ病など）などがある。
　　（２）腎障害
　　　　慢性腎炎などのとき。
　　（３）他に病気があって
　　　　たとえば、急性膵炎、膵結石症、流行性耳下腺炎、膵臓ガン、成長ホルモン分泌過剰、糖質コルチコイド
　　　　分泌過剰、ステロイド剤の副作用、グルカゴン分泌過剰、甲状腺機能亢進症（パセドウ氏病）、脳腫瘍
　　　　肝臓病などがある。
　　（４）Ⅰ型糖尿病
　　　　以前には、若年性糖尿病と言われていた。糖尿病が重症化するケースが多い。最近、自己免疫抗体
　　　　による自己免疫性疾患と考えられるようになった。
　　（５）Ⅱ型糖尿病
　　　　以前には、成人型糖尿病と言われていた。比較的軽症だが油断はならない。失明や人工透析患者
　　　　になる例も少なくないからだ。軽症では肥満で、重症になるとやせてくる傾向がある。膵臓の疲労に
　　　　より発病する。

Ｑ，非常にわかりやすく整理されていて感心しました。普通、私たちが言っている糖尿病は、Ⅰ型、Ⅱ型の
　　糖尿病を指していると思いますが、発芽抽出成分が有効という理由は？

Ａ，発芽抽出成分は大豆からとられているために、大豆に多く含まれているたんぱく質、脂質、糖質の代謝に
　　大いに役立つ食品でしたね。
　　一方、糖尿病は、血液中におけるインシュリンが不足した結果起こる病気です。そこで、インシュリン
　　の働きは、
　　（１）糖からグリコーゲンへ転換して、体内の細胞などへ貯蔵する。
　　（２）体細胞において糖の酸化を促進させる。すなわち、血液中の糖を各細胞へ配給し、各細胞活動
　　　　　のエネルギー源となる。
　　（３）糖から脂肪酸への合成を促進する。
　　（４）体内のたんぱく質から糖へ転換するのを抑制する。

　　などであって、その結果として血液値を下げていますが、その働きは発芽抽出成分の働きと非常によく
　　似ています。
　　そのことからも、発芽抽出成分が糖尿病によいことがわかっていただけると思いますが。

Q,はい。Ⅰ型、Ⅱ型では、発芽抽出成分の働きかけにちがいがありますか。

A,Ⅰ型の糖尿病の場合ですと、発芽抽出成分による「インシュリンの代役」が期待されますし、その上、
　　「免疫異常状態の改善」という発芽抽出成分の大きな働きによる成果もあるのです。
　　Ⅱ型糖尿病の場合ですと、「膵臓に休息」の機会をあたえてあげるという発芽抽出成分の働きが期待
　　できましょう。
　　もちろん、Ⅰ型、Ⅱ型糖尿病以外の尿糖陽性のケースについても、それぞれ有効に働きかけられ
　　るはずです。

Ｑ，「Ⅰ型糖尿病」についてですが、免疫異常状態が改善されますと、どうして糖尿病は軽快するのですか。

Ａ，私の考えでは、つぎのような経過でⅠ型糖尿病が起こることが多いと多いと思います。

　　（１）卵・肉・牛乳などを多く食べる習慣を続けていくと、これらの肉類を抗原とした抗体が体内に多く
　　　　　産生される。
　　（２）なおも肉食を続けていくと、つぎのような困った現象が起こってくる。
　　　　　①肉類の成分の一部が自分の体内の細胞に蓄積された結果、自分の細胞が抗原性を帯びてくる。
　　　　　②体内に抗体が充満してくる。
　　（３）自己細胞と抗体との間で「抗原抗体反応」が起こるようになり、このような現象が体内のいたるところ
　　　　　で起こってくる。「自己免疫性疾患」にかかったのである。
　　（４）「自己免疫性疾患」の一つの例として、つぎのような抗体が現われてきて、抗原抗体反応を起こす
　　　　　ようになる。
　　　　　①膵臓の中にあるインシュリンを出す細胞に対する抗体が現われてこれを破壊する。
　　　　　②インシュリンの出る出口に対する抗体が現われてきて、出口にふたをする。
　　　　　③膵臓から血液中に排出されたインシュリンそのものに対する抗体ができて、インシュリンを
　　　　　　　破壊する。
　　　　　④体内にあるインシュリン受容体（受け皿）を破壊する抗体が現われてくる。

　　　　以上の四つの抗体例は、一部であって、まだまだほかにもいろいろなケースが考えられますが、
　　　　いすれにしても、肉食により現われてきた「自己抗原」、「自己抗体」が引きがねとなってインシュリン
　　　　の不足状態をきたしているわけですから、たんぱく質（抗原・抗体ともにたんぱく質からできています）
　　　　の扱いにすぐれた発芽抽出成分の飲用により免疫異常状態が改善されますと、糖尿病は軽快していきます。
　　　

Ｑ，Ⅱ型糖尿病の場合における膵臓の休息と発芽抽出成分の飲用との関係についてご説明願います。

Ａ，Ⅱ型糖尿病のように軽症の糖尿病は、長い間、膵臓を酷使してきた結果、発病したわけですから、
　　膵臓を休息させただけで治ると思います。膵臓の働きは、食物の消化のために酵素を出すことと、
　　糖尿など吸収された養分を細胞まで公正に配給し、燃焼させることにありますから、肉類、甘食、
　　過食などは当然、膵臓の脾疲へいを招きます。
　　このとき、食物の大食と美食をいましめ、成長因子を飲用しますと、発芽抽出成分が膵臓のの代役をして
　　くれまあすから、膵臓が休息できるわけです、　
　

Ｑ，玄米食と糖尿病との関係は？

Ａ，成長因子の働きは、大豆の中に含まれている成分との関連がありまして、糖質は２３．７パーセントしか
　　含まれていませんので、たんぱく質や脂質の害を除く働きよりも少し劣ることは否めません。
　　そこを補うためには、糖質７１．８パーセントも含まれている玄米の働きを併用しますと、「鬼に金棒」と
　　なります。
　　大抵の糖尿病は、玄米食を日常にとり入れるだけで治ります。

発芽抽出成分の飲用と玄米食で大抵の病気は克服できる

Ｑ，玄米食が糖尿病によいことはわかりました。ところで、他の病気の予防や治療については、
　　発芽抽出成分の飲用だけでよいのですか。それとも、玄米食を併用した方がよいのですか。

Ａ，もちろん、併用した方がよいでしょう。
　　発芽抽出成分は、多くの病気の予防や治療に大いに役立ちますが、それでも、たとえば、重い病気に
　　かかっているときや、美食、過食を長い間つづけてきた人、現在も相変わらずつづけている人などの
　　場合には、発芽抽出成分の飲用だけでは十分とは言えません。
　　このことは、発芽抽出成分についてだけ言えることではなく、あらゆるクスリや健康食品などについても
　　言えることです。

Ｑ，すると、発芽抽出成分を飲む人は、玄米食を食べた方がよい？

Ａ，それは誤解です。発芽抽出成分を飲む飲まないに限らず、正しい食生活をした方がよいのは当然であって
　　「発芽抽出成分を飲む人だけが食事に気をつけなければならない」という意味ではありません。
　　このことをわかりやすくするために、好ましい日常のランキングを例示しますと、
　　
　　（１）発芽抽出成分の飲用と併せて、正食を実施する。最も好ましいケースである。大抵の病気は治る。
　　（２）発芽抽出成分を飲用するが、食事は普通である。これはつぎに好ましいケース。多くの病気は治る。
　　（３）正食のみ実施するが、発芽抽出成分は飲まない場合。このケースでも、多くの病気は治るだろう。
　　（４）発芽抽出成分は飲むが、食事はでたらめなケース。病気の治り方はおそい。
　　（５）どちらもしない。最もわるいケース。病気は悪化する。難病が発病しやすい。

　　なお、ここでいう『正食』とは、玄米のような未精白の穀類を主食として、山菜、野菜、海草、豆類
　　小魚などを適量食べて、肉・卵・牛乳・甘いもの・果物などをできるだけ避ける生活のことです。

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